エスプレッソってどこの国が発祥か知っているかしら?
うーん、アメリカかな?
残念、不正解。スタバのイメージが強いからかしら。正解は「イタリア」が発祥のコーヒーよ。バリスタにとってイタリアとエスプレッソは切ってもきれないものだから今日はエスプレッソの特に歴史について話していくわね。
エスプレッソとは
レシピはお店や豆・マシンによって沢山あるけれど、エスプレッソの淹れ方から簡単に説明しておくわね。
極細挽きしたコーヒー粉を14〜16gをエスプレッソマシン専用のポルターフィルター(ハンドル)のバスケットと呼ばれる部分に詰め、粉を平にならし固め、マシンにはめ込みます。
エスプレッソマシンを使って圧力(9気圧)をかけ25~30秒で急速に抽出します。
デミタスカップ(3オンス程の小さなカップ)25~30ccの3口程度で飲めるコーヒーの旨み成分を凝縮したエキスのようなコーヒー。
エスプレッソを初めて飲んだ時びっくりしちゃった。濃くて苦ーいイメージ。
お砂糖をしっかり入れて飲むとチョコレートみたいになってボーノよ。たまに知らずに注文して苦いのを我慢して飲む子もいるから、バリスタの皆は是非教えてあげてね!もちろん濃いのが好きな人はブラックでも◎
エスプレッソ 「espresso」の語源
⒈“exprimente“ エクスプリメンテ 「圧する」というラテン語
⒉“exprss” エクスプレス 「表現する」「急行」という意味
⒊イタリアでは 「特別な」「わざわざ」 「あなたのために」 という意味合いも含んでいます。
エスプレッソは確かに一杯ずつ淹れるものね、「あなたのために」
国ごとのエスプレッソの歴史
イタリア全土で広がったエスプレッソがヨーロッパで広がり、アメリカ、日本、アジアと世界各国に広がり、現在では世界で年間約250億杯が飲まれています。
日本のカフェ文化とも馴染みの深い代表的な4つの国を紹介するわね。
イタリアのエスプレッソの歴史
1901年にルイジ ベゼラ氏(ベゼラ社)が考案しました。
1905年にパボーニ社が特許権を得て1906年にパボーニ社によってエスプレッソマシンが発売されました。
細かいコーヒーの粉を詰め、圧力がかかり、ホルダーから抽出されたコーヒー(エスプレッソ)を直接カップに注ぐという新しいタイプの旨味が濃縮されたコーヒーは大流行しました。
当時の根本的なエスプレッソマシンの構造や淹れ方は現在のものにも使用されています。
アメリカのエスプレッソの歴史
①1975年ブラジルの大霜害を機にコーヒー栽培の在り方が変わったこと
②1980年代に発売されたフレーバーコーヒーによってコーヒーに付加価値がつき、ミルクを入れる飲み方が健康ブーム と合致したこと
③ヨーロッパでエスプレッソの自動化が進んだこと(一番大きな要因)
など3つのきっかけによりアメリカでもエスプレッソが広まりました。
家庭雑貨のセールスマンハワード・シュルツ氏が1982年シアトルのコーヒー焙煎業者スターバックス社(1971年 創業)に入社し、1986年退社後、 自身のアイデアを活かした実験店舗 出店し成功、1987年にスターバックス社を買収し全米、世界へ展開を行いました。
日本のエスプレッソの歴史
戦後日本とイタリアはそもそも接点が少なくエスプレッソが日本人に知られる機会がありませんでした。
さらに日本の喫茶店はゆっくりと過ごす場所であり、バールのような立ち飲みで短時間利用のスタイルが受け入れられず、専門店や個人店でエスプレッソの取り扱いがある程度でした。
1980年にドトールコーヒー第1号店が喫茶店業界の生き残りの為、カウンター立ち飲みやセルフサービス形式で安価なコーヒーを提供する新しいスタイルで違いを明確にしたことで人気が出始めました。翌年にエスプレッソもメニューに加わりますが、ドリップコーヒーが飲まれることがほとんどでエスプレッソが飲まれることはあまりありませんでした。
その後アメリカから大型チェーン店(スターバックス)が出店し始め、日本でもエスプレッソが飲まれるようになりました。
日本の喫茶店は1981年16万店をピークに新しいチェーン店の参入、コンビニの参入など人々の利用動機や利用法の変化により半分以下まで減少しています。
オーストラリアのエスプレッソの歴史
紅茶の方が主流でしたが、 第二次世界大戦後、ヨーロッパ(イタリア)からの移民によりエスプレッソコーヒーの文化が持ち込まれました。
1980年代イタリア人がエスプレッソのカフェをオープンさせたことや、 2000年シド二ーオリンピックを開催をきっかけに1990年代後半から屋外席が許可され、コーヒー文化が飛躍的に加速していきました。
2003年のWBC (ワールドバリスタチャンピオンシップ)ではオーストラリア代表ポールバゼットが最年少で優勝したことでオーストラリアは世界レベルのバリスタ大国、コーヒー文化のイメージが浸透しました。
コーヒーのブーム
”サードウェーブコーヒー”って聞いたことがあるかしら。
僕のいくカフェは”サードウェーブ”っぽいと何となくは思っていたけど、よく考えたらサードウェーブって何なんだろう?
そうなのよね、これはよくお客様からも聞かれることだし、歴史の話でもあるからこの流れで話しちゃうわね。
ファーストウェーブ
19世紀後半にコーヒーの大量生産が可能となり、家庭などに広く普及しました。
アメリカの主流のコーヒーはいわゆるアメリカンで浅煎りの豆を粗挽きにしてパーコレーターで煮出したような酸味が強いものでした。
セカンドウェーブ
1970年前後にシアトルコーヒーなどといわれる深煎りの豆を細挽きにして、 エスプレッソマシンで抽出したコーヒー(エスプレッソ)にミルクをたっぷり加えた飲み物が流行しました。
サードウェーブ
2002年アメリカで語られるようになりました。
90年代後半に高品質なコーヒーを求める消費者に応えたのが第三の波、サードウェーブといわれています。
スぺシャリティーコーヒー、シングルオリジン(単一の農園の豆)、カフェロースター (小規模の自家焙煎を行うカフェ)なども日本やオーストラリアに浸透し始めました。
フォースウェーブ
家庭用のエスプレッソマシンもどんどん本格的になっています。
YouTubeやインスタグラムなどでもプロ顔負けのラテアートをされる方なども見受けられるようになりました。
あとがき
今日はあまり語られることのないエスプレッソの歴史・サードウェーブなどのお話をさせていただきました。
バリスタになって10年ほど経ちまして以前よりはエスプレッソの事を知っている方は増えましたが、まだまだ日本では飲まれることも少なく、バリスタであっても深くは知らないし現場で教わる機会もあまりないかもしれないので、この記事を通して少しでも興味を持っていただいて、エスプレッソの普及に繋がれば嬉しいです。
バリスタルではエスプレッソの淹れ方レッスンやオススメのマシン、器具などのご紹介も行なっておりますので必要な方はお問い合わせください。
最後まで読んでいただきGrazie mille&Amore♡Ciao~!